- 相場より高い慰謝料を請求されているけど、応じなきゃいけないの？
- 不倫したのが悪いから反論しちゃダメ？
不倫相手の配偶者から高額な慰謝料を請求されてしまった場合、これに応じなければならないのでしょうか？
罪悪感や恐怖心、早く片付けしまいたいという気持ちから、法外な請求に応じてしまう人もいますが、その必要はありません。
ここでは不当に高額な請求を受けたしまった場合にどのように対処すべきか解説していきたいと思います。
このページの目次
１ 法外な慰謝料請求に応じる義務はありません
不倫・浮気をした場合には、法律上、慰謝料の支払い義務が発生します。
しかし、支払うべき慰謝料は、請求する側の言い値ですべて決まるわけではありません。過去の裁判の蓄積からも相場は５０～２００万円と考えられます。
そのため、法外な慰謝料の請求には応じる必要はありません。
もし、相手からの請求が法外に高額なものでなかったとしても、相手夫婦の関係や不貞の頻度や期間などの要素によって、裁判で認められる慰謝料が少額になる可能性も十分あります。
そのため、高額な慰謝料請求をされた場合に直ちにそれに応じてしまうのは、大きなリスクがあることといえるでしょう。
２ 適正な額の限度で慰謝料を支払う義務があります
不倫・浮気の慰謝料は、事情を考慮したうえで、法外に高額なものではなく、適正な金額の限度で払う必要があるものと考えてください。
弁護士は、慰謝料を請求する側もさせる側もどちらの経験も豊富です。そのため、ご相談いただいた内容をもとに、適正な金額の慰謝料まで請求を減少させるよう、あなたに代わって相手との交渉や裁判の対応をします。
３ 慰謝料の相場はどれくらい？
では、支払うべき適正な金額とはどれくらいでしょうか？
不倫慰謝料は交通事故などと違って、慰謝料の金額に明確に基準や計算式が定められているわけではありません。
もっとも、過去の裁判例の分析から、慰謝料の金額を決める上で重要な考慮要素を挙げると以下のようになります。
なお、この中で最も重要なのは「①不倫によって相手夫婦に与えた影響（離婚や別居の有無）」です。
不倫慰謝料を決める際は、まず相手夫婦が離婚や別居をしているか否かによって大枠が決められ、その大枠の中で他の事情を考慮して慰謝料の金額を決めていきます。
① 不倫によって相手夫婦に与えた影響（離婚や別居の有無）
不貞慰謝料の金額を決める上で最も重要なのは、不倫が発覚した後の夫婦関係がどうなったかです。
具体的には、離婚や別居といった大きな影響が生じているのか否かが重要になってきます。
おおまかな相場としては、離婚をしているケースで２００万円前後、離婚はしていないものの別居をしているケースで１５０万円前後、離婚も別居もしていないケースで１００万円前後といった感じです。
そして、上述のとおり、この大枠な中で以下に述べるような他の事情も勘案しながら金額を増減していくイメージになります。
② 不貞の期間、回数
不貞行為の期間が長い場合、回数が多い場合は、慰謝料の増額理由となります。
他方、回数も少なく、期間も短ければ、大幅な減額も狙えるでしょう。
関係を持ったのが１回きりのような場合は、離婚をしている場合でも１００万円前後になることもあります。
③ 婚姻期間の長短、幼い子の有無
相手夫婦の婚姻期間が長い場合や相手夫婦に幼い子がいる場合は、慰謝料の増額理由とされてしまいます。
逆に婚姻期間が短く、幼い子もいないような場合であれば、減額事由として主張していくことが可能でしょう。
④ 不貞があった時点での夫婦関係
不貞があった時点で夫婦仲が悪かったことを示す事情（喧嘩ばかりで口を聞かない、夫婦間で性交渉がない、離婚に向けた話し合いをしている等）があれば、減額事由として主張することが可能です。
極端な場合、不貞行為の時点で夫婦関係が破綻していたような場合であれば、慰謝料を支払う義務はありません。
⑤ 不貞配偶者側の責任の大小
不貞行為は不貞をした配偶者とその相手が共同で行う不法行為であると考えられています。
そこで、不貞配偶者側の積極的なアプローチによって関係が始まった場合や、不貞配偶者の方が立場が上（例えば、職場の上司等）である場合は、不貞配偶者側の方が責任が重いとして、慰謝料の減額理由になる可能性があります。
４ 弁護士に依頼するメリット
法外な慰謝料を請求された場合には、相手も感情的になり冷静に話し合いをすることが困難な状況になっていることが予想されます。また、話し合いが進まず、交渉が難航することも予想されます。
そのような場合に、ご自身で対応するのは、話し合いが進まず強いストレスがかかると思います。
弁護士に依頼をしていただくと、相手との交渉の窓口を弁護士に一任することになり、弁護士を介した交渉となりますので、交渉で気を悩むことが減ります。また、不貞慰謝料の経験が豊富な弁護士が対応することで、法外な請求をやめさせ、適正な慰謝料に引き直す交渉も可能となります。
話し合いをむやみに長引かせず早期に解決するためにも、できるだけはやめに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。
