法律事務所から突然赤い封筒が届くと、「これは何?」「無視していいの?」と不安になる方が多いのではないでしょうか。
赤い封筒は、未払いの借金に関する最終段階の督促である可能性が高く、放置すると裁判や差し押さえに発展するおそれがあります。一方で、時効の援用という方法により返済義務がなくなるケースもあるため、正しい知識をもって対処することが重要です。
本記事では、赤い封筒の意味や届く理由から無視した場合のリスクまで、具体的な対処法をわかりやすく解説します。
このページの目次
法律事務所から届く赤い封筒とは
法律事務所から届く赤い封筒は、借金の返済を求める最終段階の催告書が入っていることが一般的です。通常、未払いの債務がある場合、債権者はまず白い封筒で通知を送り、それでも反応がなければ黄色い封筒、最終的に赤い封筒へと段階が上がっていきます。
赤い封筒は、法的な手続き(裁判や強制執行)に移行する直前であることを意味しているため、届いた時点で早急に内容を確認し対応することが大切です。
なお、封筒の色自体に法的な決まりがあるわけではありませんが、多くの法律事務所や債権回収会社がこのような色分けの方法を採用しています。
法律事務所から赤い封筒が届いたらまず確認すべきこと
赤い封筒が届いたら、慌てず次の2点を確認しましょう。
- 差出人と書類の種類を確認する
- 届いた理由を把握する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
差出人と書類の種類を確認する
最初に確認すべきは、封筒に記載されている差出人の名称です。法律事務所名が記載されている場合は、日本弁護士連合会の「弁護士検索」で実在する事務所かどうかを調べましょう。存在しない事務所名であれば、架空請求の可能性があります。
次に、同封されている書類の種類を確認します。たとえば「催告書」は支払いを促す通知、「督促状」はより強い催促、「通告書」は法的手続きへの移行を予告する書類です。書類の種類によって緊急度が異なるため、どの段階の通知なのかを把握することが重要です。
参考:日本弁護士連合会「弁護士検索」
届いた理由を把握する
赤い封筒が届く主な理由は、過去の借入やクレジットカードの未払い債権が法律事務所に回収委託されたケースです。たとえば、消費者金融やクレジットカード会社が自社で回収できなかった債権を、法律事務所や債権回収会社(サービサー)に委託して請求してくることがあります。
また、債権譲渡により、元々の借入先とは異なる会社名で届くことも少なくありません。「身に覚えがない」と思っても、家族名義の借入の保証人になっていた場合や、何年も前の借金が原因であることもあるため、書類の内容を丁寧に確認することが大切です。
法律事務所からの赤い封筒を無視するとどうなるか
赤い封筒を無視し続けると、段階的に深刻な事態へと発展します。具体的には次の3つのリスクがあります。
- 裁判所からの訴状や支払督促が届く
- 給与や預貯金の差し押さえを受ける
- 遅延損害金が増え続ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
裁判所からの訴状や支払督促が届く
法律事務所からの催告を無視し続けると、債権者は裁判所を通じた法的手続きに移行します。具体的には、簡易裁判所から「支払督促」が届くことがあります。これは裁判所の書記官が債務者に対して金銭の支払いを命じる制度です。
支払督促を受け取ってから2週間以内に異議を申し立てなければ、仮執行宣言が付与され、強制執行が可能な状態になります。また、裁判所からの特別送達を無視して欠席すると、相手側の主張がそのまま認められる「欠席判決」が下されるおそれがあります。
参考:裁判所「支払督促」
参考:法務省「督促手続について」
給与や預貯金の差し押さえを受ける
判決や仮執行宣言が確定すると、債権者は強制執行を申し立てることができます。差し押さえの対象になるのは、給与や預貯金口座などです。
給与の場合、税金等を差し引いた手取り額の4分の1(手取りが44万円を超える場合は33万円を除いた全額)が差し押さえの対象になります。
預貯金口座については、差押命令が届いた時点の残高がそのまま対象になるため、生活資金が突然引き出せなくなるケースもあります。
参考:裁判所「債権執行(債務名義に基づく差押え)」
遅延損害金が増え続ける
赤い封筒を放置している間も、元金に対する遅延損害金は日々加算されていきます。遅延損害金の利率は、消費者金融やクレジットカードの場合、年14.6%〜20.0%程度に設定されていることが一般的です。
たとえば、元金50万円を5年間放置した場合、年利14.6%であれば遅延損害金だけで約36万円以上になる計算です。放置期間が長くなるほど返済額が膨らむため、早い段階で対応を検討することが重要です。
赤い封筒を送ってきた法律事務所へ自分で連絡する際の注意点
赤い封筒が届いた後、自分で差出人の法律事務所に連絡しようと考える方もいるでしょう。ただし、安易に連絡すると不利になる場合があるため注意が必要です。
とくに避けるべきなのは、電話口で「払います」「分割にしてください」といった発言をすることです。このような発言は「債務の承認」にあたり、すでに成立していた可能性のある時効がリセット(更新)されるおそれがあります。
連絡する前にまず、最終返済日がいつだったかを確認し、時効の可能性がないかを検討しましょう。判断がつかない場合は、先に弁護士や司法書士に相談してから対応するのがもっとも安全な方法です。
法律事務所から届いた赤い封筒への対応を弁護士・司法書士に相談するメリット
赤い封筒への対応を自分で行うのが不安な場合は、弁護士や司法書士に相談することで問題をスムーズに解決できる可能性が高まります。
大きなメリットの一つが、受任通知の送付により、債権者からの直接的な取り立てが止まることです。貸金業法第21条第1項第9号では、弁護士や司法書士が債務処理を受任したことを書面で通知した場合、正当な理由なく債務者へ直接取り立てることが禁止されています。
また、時効援用の可否を正確に判断してもらえるため、自分で連絡して時効をリセットしてしまうリスクも避けられます。 相談のタイミングは赤い封筒が届いた直後が理想的です。放置するほど選択肢が狭まるため、早めの相談をおすすめします。
参考:e-Gov法令検索「貸金業法」
法律事務所からの赤い封筒に関する相談先の選び方
弁護士や司法書士に相談しようと決めても、どの事務所に依頼すればよいか迷う方は多いでしょう。 相談先を選ぶ際は、次の3つのポイントを確認することが大切です。
- 債務整理の実績が豊富である
- 費用体系が明確である
- 初回相談が無料である
それぞれ詳しく見ていきましょう。
債務整理の実績が豊富である
相談先を選ぶ際にもっとも重視すべきなのは、時効援用や任意整理などの債務整理に関する実績が豊富かどうかです。
とくに、債権回収会社との交渉経験が豊富な事務所であれば、スムーズな解決が期待できます。「赤い封筒」「債権回収」などのキーワードで情報発信をしている事務所は、この分野に力を入れている可能性が高いでしょう。
費用体系が明確である
依頼前に、着手金・成功報酬・実費といった費用の内訳が明確に提示されるかどうかも大切なポイントです。「費用は事件終了後にお伝えします」というような事務所は避けるのが無難です。
具体的には、相談時に見積書や料金表を提示してくれる事務所が信頼できます。追加費用が発生する条件(裁判に移行した場合など)も事前に確認しておくことで、後からのトラブルを防げます。
初回相談が無料である
多くの弁護士事務所・司法書士事務所では、債務整理に関する初回相談を無料で受け付けています。まずは無料相談を活用し、複数の事務所を比較したうえで依頼先を決めるとよいでしょう。
なお、弁護士と司法書士では対応できる範囲が異なります。法務大臣の認定を受けた司法書士は、訴訟の目的となる物の価額が140万円以下の事件について代理業務を行えますが、それを超える場合は弁護士への依頼が必要です。
相談時にご自身の債務額を伝え、どちらに依頼すべきかを確認しましょう。
参考:法務省「司法書士の簡裁訴訟代理等関係業務の認定」
法律事務所から身に覚えがない赤い封筒が届いた場合の対応
身に覚えのない赤い封筒が届いた場合、まず疑うべきは架空請求の可能性です。法務省では、「法務省管轄支局 国民訴訟通達センター」などの名称を使った架空請求が多発していると注意喚起しています。
本物の訴状は裁判所から「特別送達」で届き、郵便職員が手渡しするのが原則です。普通郵便やはがきで届いた場合は、架空請求の可能性が高いため、記載された電話番号には絶対に連絡しないでください。
ただし、実際には忘れていた借入金や、家族名義の保証債務が原因であるケースもあります。身に覚えがないからといって放置するのではなく、消費生活センター(消費者ホットライン188)や弁護士に確認を取ることが大切です。
参考:法務省「法務省の名称等を不正に使用した架空請求により被害が発生しています」
参考:消費者庁「架空請求にご注意ください!」
法律事務所から赤い封筒が届いた場合のよくある質問
赤い封筒と黄色い封筒は何が違うのか
一般的に、黄色い封筒は督促の初期〜中間段階で使用されることが多く、赤い封筒は法的手続きへの移行が近い最終段階を意味する傾向があります。
ただし、封筒の色に法的な定義はなく、あくまで法律事務所や債権回収会社ごとの運用によるものです。色にかかわらず、中身の書類の内容をしっかり確認し、適切な対応を取ることが大切です。
家族に届いた赤い封筒を代わりに対応できるか
原則として、債務に関する手続きは本人でなければ対応できません。家族が代わりに法律事務所に連絡しても、個人情報保護の観点から情報開示を受けられないことがほとんどです。
もし本人に代わって対応が必要な場合は、委任状を作成したうえで弁護士や司法書士に正式に依頼する方法が確実です。なお、亡くなった家族宛に届いた場合は相続債務の問題となるため、相続放棄(家庭裁判所への申述が必要、原則3か月以内)の検討も含め、早急に専門家へ相談しましょう。
まとめ
法律事務所から届く赤い封筒は、借金の返済を求める最終段階の通知であり、放置すると裁判所を通じた法的手続きや給与・預貯金の差し押さえに発展するおそれがあります。届いたらまず差出人と書類の種類を確認し、身に覚えがない場合も架空請求と決めつけず、消費生活センターや弁護士・司法書士に早めに相談することが大切です。
とくに、最終返済日から5年以上が経過している場合は時効の援用が認められる可能性もあるため、自分で債権者に連絡する前に専門家の判断を仰ぎましょう。
名古屋H&Y法律事務所は、お客様に「本気で寄り添う」をモットーにする法律事務所です。所属する弁護士は多種多様な事件を多数解決してきた実績を有しており、お客様のニーズに合わせた解決策の提示が可能です。ウェブ会議や電話会議を利用したリモート相談にも対応しておりますので、お気軽にご連絡ください。

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